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大麻経験者が大麻の危険性を伝えるブログ

クリスチャニアへ行く デンマークのヒッピーコミューン

ヒッピーコミューンとは

ヒッピーコミューンとは、ヒッピーの集団居住区のことです。

欧州にはいくつかのヒッピーコミューンがあります。
その中で最大のものが、デンマークの首都コペンハーゲンにあるクリスチャニアとなります。

私はヒッピー精神をほとんど持ち合わせていないと思うのですが、バックパッカー精神を持ち合わせているつもりなので「一般的ではない」場所にしばしば引き寄せられます。

「欧州に住んでいるのだからクリスチャニアには行かねばならぬ。」
金閣を燃やした若僧ばりの使命感でデンマークへ向かいました。

コペンハーゲン

コペンハーゲンの空港に降り立ち、鉄道へ市内へ。
それまで写真でしか見たことのない、Theデンマーク的な機能性第一の、車両前面がゴムに囲われた鉄道に興奮しつつ、都心部へ移動します。

私の知るドイツのどの中央駅よりも濃い色のコペンハーゲン中央駅に到着し、AirBnBで手配した宿(個人宅)へ向かいます。

急な階段で4階まで登ると、20代の素敵な女性がお出迎え。
これからニューヨークに住むボーイフレンドの家に向けて旅立つとのこと。
コペンハーゲンに何しにきたのかよくわからない東洋人男性を自宅に残し、小さなスーツケースと共に颯爽と去っていきました。
実に可憐でした。

一事例からの感想に過ぎませんが、やはりユーラシア大陸越えの日-欧や、太平洋越えの日-米より、大西洋越えの欧-米のほうが障壁少なく、欧州社会にとってより身近なんだろうなと感じました。
また、そのようなタイミングで自分の部屋を貸す彼女の思考も、私にはない感覚であり、新鮮で面白いなぁと思いました。

部屋の雰囲気はまさに北欧でした。
もちろん、実生活が営まれている家なので、ホテルやラウンジのような造られた北欧テイストではなく、自然な北欧でした。
「自然な北欧」ってなんだよ、コペンハーゲンなんて北欧と中欧の中間だろってツッコミがあるかと思います。
私が住むドイツ南西部のカントリー感を薄めつつも、ゲルマン民族共通の、エッジが効いたガッチリした家の作りや家具のテイストは残しつつ、よりシックでシンプルな感じでした。
正直なところ、欧州の家屋、家具、調度品について学術的知見を有さないため、上記は相当適当な感覚論となります。

ただ、明確にわかることとしては、日本の20代女性の一人暮らしとは、全くテイストの異なる部屋の雰囲気です。
もし20代、30代の女性が北欧を旅する際には、ホテルではなく、同年代の女性の部屋を借りてみると面白いのではないでしょうか。
価値観の異なる世界で生きる同年代の世界観を、少しでも追体験出来るのではないでしょうか。

当時の私の欧州社会における肩書は「日本企業のドイツ駐在員」であり、AirBnBで知り合った彼女とは、性別も年齢も生きてきた環境もまったく異なり、重なり合う部分はほぼありません。
しかし、バックパッカー旅で安い宿を巡るのとはまた違った、現地で生きている人間の生活空間を体験できたのは、大変貴重でよい経験となりました。

コペンハーゲン市街へ

荷物を整理したのち、街の中心部へと向かいました。

今思えば、当時の私は大麻に取り憑かれて久しく、以前に比べてすさんだ感性になっていたと思います。
新しい街で新しい発見をしようとする、旅人としての純粋な気持ちが後退し、観光を楽しむ気力が結構失せていました。

コペンハーゲン名物のチボリ公園を素通りし、なんとなくコペンハーゲン市内を歩きました。

大麻に取り憑かれたバックパッカーあるあるとなりますが、どこへ行っても現地の名所を真剣に見ようとしなくなり、現地の価値観に対する敬意をあまり払わなくなります。
ただ無為に大麻の煙をふかし、まどろみの中でなんとなく街の雰囲気をつかむ傾向に陥りがちです。
当時の私も、そのような傾向にありました。

クリスチャニア

小雨の降るなか、寒い思いをしながらクリスチャニアを目指します。
欧州の長く寒い冬には慣れたつもりではありますが、旅先でもそれが続くとなかなか気分が晴れません。

クリスチャニアは市内中心部から東部に位置しており、徒歩で30~40分ほどかかります。 古い証券取引所の前を通過し、ひたすら歩きます。

ようやくクリスチャニア入り口に到着です。 公園の入り口のようなところから入場します。 まばらながらも、そこそこの人が歩いています。

そしてそのまま大麻マーケットへ直行します。

大麻マーケット

クリスチャニアは、ヒッピーコミューンとして、デンマーク内で一定の自治権を与えられています。 そのため、同地区内ではソフトドラッグである大麻の販売が容認されています。

中央集権が強い日本からすると、デンマーククリスチャニアの関係はなかなか想像しにくい社会構造となります。
欧州社会では、このような、「一律の政治統治」より「人間個人の自由」が勝ることが時折見られることがあり、日本社会に慣れた私にとって興味深く感じる点です。

クリスチャニアの一部エリアはドラッグマーケットとなっており、小さな屋台が複数並び、大麻が販売されています。

どの屋台も大体1-2名の店員がいて、小さなテーブルの上にガラス瓶に入れた大麻を数種類並べています。
ハローといって近づいていけば、蓋を開けて匂いを嗅がせてくれます。

ヨーロピアン社会のアングラ部という要素により、普通の日本人だと怖気付いて入るのを躊躇してしまうような場所&雰囲気ではあります。

もし私が、欧州在住で大麻を楽しんでおらず、純粋な日本から来た観光客であれば、怖気付いてしまったことでしょう。
しかし、ドイツやデンマークの社会はフラットであり、日本人でも気負いせずに通せる社会と私は感じています。
ハローと言って踏み込んでいけば、受け入れてくれます。

というようなことは一切関係なく、大麻というだけで私は喜んで屋台に近づき、おすすめ品種の匂いを嗅がせてもらっては、"Gut"などと言って、その非日常的でアンダーグラウンドな雰囲気を満喫しました。

そして、適当なバッズを購入し、マーケットを後にして、カフェエリアへ移動しました。
小雨で寒いのですが、プラスチックの簡易テーブルにつき、本当はジョイントを作って思いっきり吸い込みたいとこですが、ガンギまりした時のリスクも考慮して、電熱Vapeで少しづつ吸引。
しばらく肺に止め、吐き出す。
寒さで陽気な気持ちにはなりにくいですが、大麻成分が徐々に染み渡り、マイルドな気持ちが醸成されてきました。

結局大麻を吸うと、結局、多幸感に溢れて自然や音楽など原生的なものはなんでも素晴らしいという安直な結論になってしまうのですが、クリスチャニアもそういうことになりました。

ただ、アムステルダムの時のようにガンギマリして帰れなくなると困るので、現地では控え目にして、その後家に戻って楽しみました。

我ながらクソすぎる過ごし方と思いますが、今となっては良い思い出です。

これまでも何度も述べてきていますが、大麻には手を出すべきではありません。
一回の体験が忘れられなくなり、常用に至り、それまでの社会生活の維持が困難となります。

ただ、大麻は関係なく、クリスチャニアという存在は、訪問して体験してみるとよい場所と思います。
今回は大麻マーケットというクリスチャニアの一部についてしか記しませんでしたが、街全体はダークな場所では決してなく、皆自由にのんびりと過ごしている平和な雰囲気の漂う場所でした。

人魚姫像については割愛します。

おしまい